発達障害(ASD・自閉症スペクトラム)と仕事【よまさん】インタビュー「人生を楽しむ権利は生きている限り誰にでもある」

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よまさんプロフィール

よまさん 男性(取材当時35歳)

プロフィール

●発達障害(自閉症スペクトラム)

●派遣社員

趣味

野球・音楽

ASDを持ちながらフルタイム勤務

タカツキ よろしくお願いします。

よまさん よろしくお願いします。

タカツキ 同じ年なんですよね。

よまさん そうです。同じ年です。ちょうど中学に上がった時に慎吾ママのオハロックが流行りましたね。

タカツキ 懐かしい(笑) 「おっはー」って言ってましたね。

よまさん 懐かしい(笑)

タカツキ それではさっそくですが、現在の状況を教えてください。

よまさん はい。主な障害の方はASD(発達障害・自閉症スペクトラム)です。二次障害でうつ病と診断されています。

うつ病は寛解していて、普通に週5日フルタイムで働けています。

タカツキ 貴重なパターンですね。今ご病気があって、お仕事できない人もたくさんいると思うのでフルタイムで働いている人のお話は参考になります。

よまさん よかったです。

タカツキ 現在のお仕事はTwitterで見させてもらったんですけど、事務兼データ解析をされているという認識でよろしいでしょうか。

よまさん はい。

タカツキ ASDでうつ病が二次障害であって、そのうつ病の方が寛解されているっていう状態ですね。

よまさん そうですね。うつ病自体は寛解しています。でもASDはまだちょっとこじらせている感じがあります。

タカツキ そのあたりを詳しく聞きたいのですが、ASDというと発達障害の一種で生まれつきの障害とされている。

でもASDとうつ病がイコールで繋がってないってことなんですね。最初は二次障害として繋がっていたけど。

よまさん そうですね。最初は二次障害で繋がっていたんですが、今は違いますね。

タカツキ ASDの要素がありながらうつの症状がよくなるということがあるんですね。

よまさん そうですね、あまり仕事上で不適応を起こさなくなったので、うつうつとした気分をあまり日常で感じなくなっています。

タカツキ すごい。

よまさん でもASDの根本の部分というか、性格の根っこの部分はまだ残っているかなと感じることがあります。

タカツキ うつ病がよくなったきっかけはありますか?

よまさん 今の職場に約二年前に転職して、仕事上であまり頻繫に人とやり取りしないというところで、多分苦手な部分が強調されなくなりました。

そういう仕事を選んだので、うつの部分がだんだん弱まっていったのかなって感じはあります。

タカツキ 職場の選び方のポイントはありましたか?人と関わらないもそうだし、それ以外でも。

よまさん はい。今派遣なんですけど、営業さんがチョイスしてくださった仕事がバッチリ自分に合ったかなという感じで。

あまり自分でこれがいいという風に選んでないです。営業さんが「よまさんにはズバリこの仕事」という感じでうまくアテンドしてくれました。  

タカツキ それって具体的にどんな感じで自分の特性を営業さんに伝えましたか?

よまさん ちょっとこういう弱いところがあるんですという感じです。

タカツキ よまさんのところの派遣会社は、障害のある方専門の派遣会社ですか?

よまさん いいえ、普通の派遣会社です。

タカツキ 普通の会社でもうまくいくことがあるんですね。

よまさん そうですね。

障害を打ち明けたりすると「もういいです」っていうパターンも多いのですが、そこはたまたま運よく営業さんが障害特性についてちょっと詳しい方だったのでよかったのかなという感じがあります。

現在の困りごとは?

タカツキ なるほど。では次に障害があってつらいと感じたことを教えてください。

よまさん つらい……そうですね、この通り自由奔放にやらせてもらっているので、世の中で求められている普通っていうその範疇からどうしても逸脱してしまうシーンが結構あって。

「よまさんそれちょっとやりすぎじゃない?」とか「それちょっとどうなの」と、言葉では言われないのですが雰囲気で察知する瞬間が多々ありますね。

タカツキ なんかこう、自分が異質な感じがしてしまうとか?

よまさん そうですね。

異質だしあと周りに溶け込めてなくてちょっと浮いちゃってる。自覚はありなんですが、かといって普通の範疇に寄せていく術もなく、なんか困ったなという感じです。

タカツキ なんかわかります。普通にできたら一番いいんだろうけどそれもできないし、でもなんか浮いているなーという感じ。

自分の中で普通にしているんだけど、世に言う普通じゃないみたいな。

よまさん ASD・ADHDあるあるですね(笑)

タカツキ あるあるですね(笑)

よまさん 頑張って馴染もうと思えば多分馴染めるんでしょうけど、多分後でガーっと疲れが爆発しちゃうっていうのが目に見えているので。

普段からエヴァンゲリオンでいうところのATフィールドを全開というか。

タカツキ 仕事とプライベートは切り離している感じですか?

よまさん プライベートでもちょっと自分浮いているなという自覚はありますね。

今幸せに感じていること

タカツキ では今仕事に限らず幸せに感じていることを聞かせてください。

よまさん そうですね今はTwitterで挙げている通り野球のトレーニングをやっているのが楽しいです。

タカツキ あれすごいですよね。場所もいいし。

よまさん 家から5分くらいのところにちょうどいい公園がありまして、あそこで日々ストレスを発散しています。 

タカツキ SNSを見させてもらっていたらよまさんはかなり多趣味なんですよね。キーボードというかピアノを弾いていたり。

よまさん そうですね、ここも若干ADHDっぽいところがあるのかなというか。

イチロー選手張りにありとあらゆることに興味をもってしまって、収拾がつかなくなるパターンというか、そういう面があると思います。

タカツキ でもかなりうまいし、発表会の映像みたいなのもありましたけど。

よまさん 昔、何年か前にやったやつですね。はい。

タカツキ 趣味のつながりで自分だけ浮いちゃうみたいなのはありますか?

よまさん うーん、野球も音楽活動も割と個性的な人が多いので、そのコミュニティーにいるとあまり自分が逸脱していないなという感じはありますね。

タカツキ さっきの転職でうつが良くなるというのもそうなんですけど、自分がコミュ障の要素があったとしても、まわりに適した環境があればあまり支障にならないのかなという感じですね。

よまさん そうですね。やっぱり環境が大事かなと改めて思いますね。

今の職場に就くまで本当に数え切れないくらい転職したのですが、ようやく自分の居場所に潜り込めたという感じがあります。

タカツキ 現在のお仕事が一番続いている職場ですか?

よまさん 一番続いていたのは新卒で入った介護福祉の職場で、たしか4年間働きました。

タカツキ いろんなことをされていますね。

よまさん あまりおすすめはしない生き方ですけども、その都度その都度自分がこれをやりたいと思ったものに全振りする生き方をして、まったく安定というものに縁がない人生を歩んでますね(笑)

タカツキ でもちゃんと病状が良くなっている。

仕事の面がクリアできると私生活のうつ病的なものも改善されているということですか?

よまさん そうですね。日頃の仕事で不適応という感覚を抱かなければプライベートも趣味もうまく回っているのかなという感覚はありますね。

精神病について思うこと

タカツキ では精神病全体について何か思うことはありますか?

よまさん はい。とにかく「やっちゃえよ」ですね。

確かに障害という普通からはみ出してしまったり、普通のレベルに到達できなかったりちょっと不備を感じることがあるからそういう感情を抱いてしまうのはわかるんですが、自分のやりたいことを見つけたら「やっちゃえよ」っていう。

障害があるなしに関わらず自分のやりたいことを、人生を楽しむ権利は生きている限りみんなにあるのだから。「やっちゃえよ」ですね。

タカツキ そうですよね。体調はもちろん考慮した上で、人生一度きりですしできる範囲でやりたいことがあったらやったほうがいいなと思いました。

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よまさん、今回は貴重なお話をありがとうございました。

よまさんは私が発信活動を始めた当初から私のことを知ってくれている保護者のような存在です。

この数年お互い色々な変化があり、時を経てこうしてお話しできる機会があったことを嬉しく思います。

病気や障害は確かに困難なもの。

しかし人生を楽しむ権利まで放棄しなくていいという言葉に、救われた人も多いのではないでしょうか。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

動画でのインタビューの様子もありますので、こちらもお時間がある時に御覧ください。

それではまた次の記事でお会いしましょう。

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